〜13話〜 オペ終了…その①
「終わりましたぁー」
「今から病室に戻りますねぇー」
うっすらと医師たちの声が聞こえる。。
オペが・・終わったのか・・?
身体の感覚はあまり戻っていない。
「せーの」という医師たちの掛け声。
手術台からベットに移された。
いまさっき看護師と手術室までの長い通路を歩き、手術室へ案内された所だよな?
看護師と「ドラマでよく見る場所ですね」などと少し会話しながら手術室前まで案内された。
手術室に入り、麻酔科医に案内されるがまま、手術台の上に仰向けになる、ドラマなどでよく見る複数のライト群がある。
手術台につくとともに、麻酔科医、看護師にあれよあれよと2つ3つ説明を受けた後
「すごい手際がいいなー」と考えたところまでの記憶はある。
麻酔の威力は効果的であった。
本当に一瞬で過ぎ去ったかに感じた手術後、朦朧とする意識の中、身体の感覚を確かめる。
患部の右耳は全く痛くない。
なぜか両足のカカトが痛い
そして左肩の痛み
麻酔により全身脱力状態の身体を支える圧力によるダメージだろう。
どちらも我慢できないほどの痛みではない。
よかった。
オペは無事に終わったんだ・・・
ほっと一息ついた瞬間。
こみ上げてくる吐き気。
病室へ運ばれながら嘔吐した。
体内に残っている麻酔を出そうと身体が反応している。
「こ、これは、くるしい・・・」
吐き気はなかなか強烈なものだった。
過去胃腸炎にかかった際、そして大酒を食らった後泥酔し、何度も嘔吐しているような状態。
食事も取っていないので、嘔吐するのは胃液と血液のみ。気道確保による出血もあるのだろう。
約1時間。
定期的に襲われる嘔吐のサイクル、麻酔への拒絶反応による全身の震え、はじめての手術だったため、この容体に対する不安との戦い、結局5回程度嘔吐した。
そして、徐々に容体は安定していった。
今回のオペで感じたこと。
大変なのは術後の容体が安静するまでの数時間だ。
あと、麻酔が効いているうちにセットされたであろう尿道のカテーテル・・・
痛くはないが、違和感がものすごく早く外して欲しいという感覚があった。
どうやら3時間半を予定していた手術は時間を大幅にオーバーし、5時間越えのオペだったらしい。
「真珠腫」は想像よりも肥大して顔面神経にも差し掛かりそうな状態だったとか。
それもあり、今回は真珠腫の除去に徹した為、また半年〜1年後、再度右耳の耳小骨の再建手術を行うことになる。
その前に、左側も真珠腫が広がっている可能性が高いので摘出を早くやったほうが良いとの診断。
短期間であと3回・・・
頑張るしかない(泣)
いま現在、オペからまる2日経過、患部もほとんど痛まない。
ご飯も食べれるようになりすこぶる元気になってきた。
あとは傷口が塞がるのを待つのみ。
お見舞いに買ってきてもらった「ふりかけ」と雑誌で、もうしばらく病院生活を堪能していく!
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