※子供の頃からのとある癖で厄年を境に耳鳴りが悪化。真珠腫という病のお話(01話へ)
〜07話〜「波乱の幕開け!手術前検診」
3月9日、休日明けの月曜日
有給を取り手術前検診のため朝から病院へ
平日の午前、本日は快晴なり
職場へ急ぐドライバーを後目に、優雅に車を走らせる・・・はずだった。
空は3月とは思えない暖かい日差しが立ちこめるスッキリとした晴れ模様。
・・・しかし、私のお腹はくだり気味。
昨晩、景気づけにと食べた丸源ラーメン「熟成醤油とんこつラーメン(赤)」のダメージが確実に残っていた。
下痢だ・・・
病院に着くなり、足早に受付を済ませトイレへとかけ込む。幸い時間帯も早かったので、すんなりトイレへ入れたのがせめてもの救いだ。
今日は大事な手術前検診だと言うのに・・・
幸先悪いな・・・
トイレから帰還し、待合場所へ向かうと、そこには老若男女、10名程度の術前検査を控える同士達が待合場所で待機していた。
この人たちも入院が決まり、術前検査なのだろう。
皆静かに、若干緊張気味に看護師に呼ばれる順番を待っていた。
「真珠腫」と診断され、はや1ヶ月・・・
ようやくオペの日程が決定し、それに向けた術前検査が行われる。
これまで本当に自分はオペをするのか?と実感が湧いていなかったのだが、ようやく少しずつ現実的に感じられるようになってきた。
私の前の人が呼ばれた。
60代くらいの男性。
次はいよいよ自分だ。身が引き締まる。
初老といった感じの男性は看護師からの質問、術前検査についての説明に「はい」、「はい」と順調に問答。
しかし、とある看護師の質問に対し自信のなさそうな回答をする。
「おタバコは辞められましたか?」
「は、はい、い、一週間前に・・・」
「は!?」
「い、一週間前で良いって聞い・たん・で・・」
「誰が一週間前って言ったんですか!!」
フロアに響き渡る看護師の声
待合室に緊張が走った
厳しい看護師の口調は手術に向けての禁煙の重要性を物語っていた。
以前入院説明を受けた時に禁煙について最低でも2週間前には辞める、そして「麻酔のしおり(第5話参照)」にも禁煙についてはしっかり書いてあるのだ。
ガッツリと怒られる60代男性。
病院では年齢など関係ない。
これまでの人生キャリアなども通用しない。
患者は無力、先生・看護師の言うことは絶対なのだ!
「しっかり辞めといてよかった・・・」
私は入院説明を聞いてから、すぐ禁煙に入っていたので、私の順番、同様の質問に対しては堂々と胸をはって答えた。
「おタバコは、」
「すぐに辞めました!!」
食い気味、小学生の良い子ちゃん張りにハキハキと答えた。
ピリついていた看護師さん、前の男性とはうってかわって優しく本日の術前検査について説明を行ってくれた。
肝をひやしたぜ・・・
内心つぶやきながら術前検査をスタートした。
健康診断と同じ、決められた場所、決められたミッションをこなしていく。
肺活量、血液検査、心電図、聴力などなど
手術して問題ないか一通りの検査を行った。
そして、最後に医師による問診。
いよいよオペを担当してもらうお医者様と面談した。
若い先生だ。
3.18の入院の日に手術についての詳しい説明をしてくれるらしい。
本日の検査結果を見て、特に問題のある所はなさそうということだ。
ついに3.19
まずは右耳から
鼓室再建手術が本日確定となった。